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鴨川ー嶺岡巡検[10月29日] [千葉県地学教育研究会]


今年2回目の巡検は,鴨川ー嶺岡でおこなわれました。この辺りはメジャーな巡検スポットで,千葉県では珍しく火成岩や変成岩など”固い”岩石が見られます。小中学校の教員を中心に,12名が参加しました。集合時には雨が降り出し,天候が心配されましたが,昼過ぎには晴れ間も見えました。




まずはじめは,地滑り地形の観察。斜面にワイヤーが仕掛けられており,地滑りが発生すると警報が鳴る仕組みです。遠くに見える鞍部は活断層によるものとも考えられています。



(このときは雨が降っていたので,写真は下見のときのものです。)




コスモスが咲いて,秋らしい景色も見られました。




鴨川青年の家で,枕状溶岩を観察。眼下に見える枕状溶岩は,千葉県の天然記念物に指定されています。釣り人は,この事を知っているのでしょうか?




青年の家敷地内の,枕状溶岩を観察。この日の講師は,千葉県立中央博物館の高橋直樹さんです。




玄武岩質の溶岩が海底に流れ出すと,表面が急冷されて枕の様な丸い形をした溶岩ができます。この枕状溶岩の化学組成は,海嶺の玄武岩に似ています。




鴨川松島の眺め。海上に顔を出した岩が,一列に並んでいます。断層運動に伴って,地下からずり上がってきたもです。




鴨川松島を臨む八岡海水浴場では,鴨川ー嶺岡で見られる岩石の礫が,たくさん拾えます。




蛇紋岩の中には,アスベスト(石綿)が脈状に入っているものがあります。ルーペで見ると,毛のような結晶が集まっているのがわかります。




鴨川漁港の堤防に,緑色片岩の露頭があります。千葉県で変成岩が見られるのはここを含めて2カ所だけで,貴重な露頭です。結晶片岩もありますが,テトラポッドの下に隠れてしまいました。




弁天島では,溶岩が板状に貫入してきた跡を見ました。繰り返し貫入した溶岩が板のように垂直に並んでいます,シーテッドダイクコンプレックスと呼ばれています。




嶺岡林道では,蛇紋岩の露頭を見学。蛇紋岩はマントルを構成するカンラン岩が,地表に向かって上昇してくるときに変化してつくられます。とてももろい岩石で,そのため嶺岡ではいろんなところで地滑りが発生しています。




巨晶斑れい岩の露頭。柱状の角閃石の結晶が,びっしりと詰まっています。大きなものでは,5cmを越えるものも見られます。




最後は,お土産に巨晶斑れい岩をサンプリング。




なぜ鴨川ー嶺岡にこのよう岩石が分布するのか,まだ解っていません。地形の様子から,活断層の存在も指摘されています。謎の多い地帯です。


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