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千葉県の露頭〜銚子市犬吠埼(銚子層群犬吠埼層) [巡検・露頭]

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房総半島は,ほとんどが新生代という新しい時代の地質からできていますが,銚子の犬吠埼付近は千葉県で最も古い中生代の地層が見られます。中生代は恐竜が繁栄していた時代で,銚子でも数十年前まではアンモナイトやトリゴニアなどの化石がとれました。地殻変動を受けて,地層が西側に傾斜しているのがわかります。

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犬吠埼の地層は砂岩からなり,板が何枚も積み重なった様な構造が良く分かります。板(地層)の境目が縞模様に見え,これを層理と呼びます。この地層は波や潮流の影響を受ける浅い海底に堆積したもので,国の天然記念物に指定されています。

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侵食によって,地層の平らな面が露出しています。この面を層理面と呼び,地層が堆積したときの海底だった面です。層理面には,生物が這い回った跡(生痕化石)や波によってつくられた漣痕(リップルマーク)が見られます。

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層理面がでこぼこして見えるのが,漣痕(リップルマーク)です。このことから,水流の影響を受ける海底だった事がわかります。表面が風化しているので良く分かりませんが,画像下半分の層理面では,海水は右手前から左奥(またはその逆)に向かって流れていました。中央の小さい面にもリップルマークが見られ,左手前から右奥(またはその逆)に流れていた事がわかります。

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犬吠埼の地層には,斜交葉理(クロスラミナ)が見られます。以前は,「波濤巡り」といって灯台の下を通る遊歩道がありましたが,崖の崩落が激しくなったため通行止めになっています。

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ラミナをよく見ると,左端が閉じていて,右にいくにしたがって幅が広くなっています。更に右にいくと再びラミナが閉じて,全体がレンズの形をしています。これをハンモック状ラミナと呼び,台風等で海水が激しく波立ち,様々な方向の流れが生じるときにつくられる堆積構造です。このようにしてできた地層を,ストーム堆積物と呼びます。

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ハンモック状ラミナが重なっている様子が見られます。波の影響は浅い範囲に限られるので,ここが浅海だったことがわかります。左上の人物と比較してわかると思いますが,波長(レンズの端から端まで)が4〜5mに達します。海水が激しく動くほど,ラミナの波長は大きくなります。中生代は現在よりも温暖で,台風も大型で強かったといわれています。

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