千葉県の露頭〜袖ケ浦市高谷(下総層群清川層・上泉層) [巡検・露頭]
画像中央から下に見える,貝化石を含んだ地層が上泉層で,三角州の斜面〜底面のやや深い海に堆積した地層です。上泉層の上に重なる地層が清川層で,氾濫原(河川が蛇行してつくられる川原)〜河口付近の浅海で形成されました。清川層は表面が崩れているためよく分かりませんが,画像左上に貝化石を含んだ地層が見られます。この露頭からは,堆積環境が変化していったことが読み取れます。二つの層の境界は約22万〜23万年前と推定され,古東京湾に堆積した地層です。
上泉層中の,画像に向かって左に緩く傾斜したラミナと,ラミナにそって堆積した貝化石。三角州前面の斜面に堆積したものと考えられます。専門的な説明は省きますが(できませんが),ラミナや砂粒の変化を詳しく調べることで,同じ様に見える地層が全く異なる環境で堆積したということがわかります。
地層中に,砂でできた棒の様なものが突き出ています。これは,海底に棲んでいた生物(おそらくゴカイの仲間)の巣穴の跡で,この様な生物の痕跡を示す化石を生痕化石と呼びます。生物が巣穴を掘ったり砂の中を動き回ると,堆積構造が消されてしまいます。これを生物攪乱といいます。
2010-10-14 22:48
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コメント(3)
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こんにちは。
この地層を見に行きたいのですが
どうやったら行けますか?
お手数ですが教えて頂けると助かります。
by 高橋 (2014-08-19 17:55)
画像は10年前のもので,当時は山砂採取場でした。現在は整地され,露頭はなくなってしまったようです。久留里街道(県道24号線)から市営墓地公園に入る道路の脇にありました。
by ma-yo (2014-08-24 23:18)
50~60年くらい前の学生時代に地質調査のため千葉県を歩いていました。ここに掲載されている写真が懐かしく、当時の仲間の同窓会の文集に無料でコピーして、イラスト的に使わせて頂けますか(印刷数は11部です) よろしくお願い申し上げます。
by ながわら ふじこ (2021-12-20 18:47)